店舗デザイン 福岡の特異性と共通点

お客様が喜ぶケータイ活用への挑戦筆者は今年で三十歳を迎えるが、さらに三十年後、もしかしたら”ケータイ世代"と呼ばれているかもしれない。
携帯電話販売自由化というビッグバンが起きた一九九四年わたしは高校三年生であった。
以後、青春時代も社会人になってからも、常にコミュニケーションの中心にケータイがある。
それは今も変わらない。
そして、正直なところ、かつてケータイなしにどうやって友人関係を築いていたのか、今では思い出せない。
それぐらい、ケータイのある生活が普通になっているのだ。
すでにケータイの契約数は九二〇〇万台(二〇〇六年六月時点)を超える。
ケータイは身近で、もはや当たり前の存在だ。
それゆえ、ケータイが実は「今まで誰も見たことのない、奇妙で不思議な存在」であることに、気づきに-い。
ケータイは、テレビであり、ラジオであり、音楽プレーヤーであり、地図であり、カメラであり、目覚まし時計であり、持ち運べるパソコンでもある。
しかし、ケータイを何か似たようなものと比較しようとすると、他にこの様なツールはないことがわかる。
すべてを内包し、様々な可能性を秘めているケータイは、そのどん欲さゆえに”得体の知れないモノ”になっているといえるのかもしれない。
それでも皆が親しみを覚えるのは、それがあまりにも身近で当たり前の存在であるからだろう。
しかし、ケータイを企業が活用しょうとするとき、ケータイの実像をしっかり認識していないと、成功はおぼつかない。
「テレビやラジオや雑誌広告の代わり」程度の認識でケータイに向き合うと、手痛い代償を払うことになるだろう。
同じインターネット端末だからといって、パソコンの論理をケータイに持ち込むのも誤りだ。
その理由は、本書を読んでいただければ明確にご理解いただけるだろう。
ケータイはメディアとしてもツールとしても、文化としても異端な存在である。
今までの常識は通用しない。
本書が、ケータイという異端児との付き合い方を真剣に考えていただくためのきっかけになれば、筆者としてこれ以上の幸せはない。
友人の家で、「さて今日はどこへ何しに行こうか」と話していたときのことだ。
友人Aは二十八歳。
私とそれほど年も離れていないのだが、家主である友人Bは二十四歳と五つも違う。
彼女とは世代感覚の違いを感じる場面も多い。
友人Aと私は、ちょうど公開中のとある映画の話で盛り上がり、その映画を見に行こうと、友人Bに映画の時間を調べて欲しいと伝えた。
それは彼女が、ノートパソコンの前に座っていたからだ。
つまり、私たちは、彼女に「パソコンで映画の時間を調べて欲しい」と言ったつもりだったのだが、彼女にはそう聞こえていなかった。
彼女はおもむろに立ち上がって、充電中のケータイを手にとり、ケータイで映画情報を調べてくれたのである。
彼女はパソコンに疎いわけではない。
某大手SNSの利用者でもある。
そんな彼女でも、情報収集の第一手段は、パソコンでなくケータイなのだと、あらためてメディア選択の世代間差を感じ、筆者は少々驚いた。
さらにいえば、彼女は映画館でチケットを購入する際、当たり前のようにケータイサイトで見つけた割引クーポンを提示していて、ここでも感覚の差を感じた。
その利用の仕方が、あまりにも”フツー”だったからである。
本稿を書いている段階では'かろうじて二十代の筆者であるが、同じ二十代でもここまでケータイへの接し方や見方が異なるものかと感じることは多い。
活用の仕方が異なるのはもとよ-、「ケータイという道具を心の底から信頼している」といった、関係性の深さの違いを感じることもある。
これが十代になるとそうした傾向はさらに、顕著になる。
中学生のカップルが、「二人のラブラブブログ」をケータイで更新し、そのブログのURLをクラスメイトに配っている-という話を聞いたときは、さすがにもう理解できないなと思ったものだ。
断ってお-が、これは決して筆者の作り話ではない。
実話である。
しかし、「自分にはまった-理解できない」という、お父さんお母さんもまた、同じケータイユーザーであり、そこにはその世代ならではの、その人たちならではの使い方、接し方、関係性が生まれている。
ケータイの面白さは、こうした関係性の多様さ、使い方の幅広さにあるわけだが、一方でその”幅”こそが、ケータイを理解しがたいものにしているともいえるだろう。
そこでまずは今、我々にとって、ケータイというツールはどんな存在になっているのか、それを理解することからはじめたいと思う。
壊れることがあるプライバシー。
(30-34歳・女性)「彼女との架け橋」(十九歳以下・男性)「思い出のアルバム」(二十〜二十四歳・女性)「精神安定剤」(二十五〜二十九歳・女性)これはすべて、「あなたにとってケータイって何ですか?」という質問に対する回答である。
ケータイとは、若い世代にとって極めて「パーソナル」な存在であることが分かる。
ケータイを使ったマーケティングやプロモーションを行う場合、ケータイは若者向けのメディアであるため、マスにはできないパーソナルなアプローチでいこう、という発想にな-がちだ。
しかし、そもそもケータイってメディアなのだろうか?少なくとも、ケータイを「彼女との架け橋」だと考えている十代の男子君にとってケータイはメディアではなく、「彼女の声を届けてくれる大切なモノ」である。
テレビや雑誌といったマスメディアへの期待とはまったく異なるものをケータイに求めているはずだ。
もちろん、ケータイにはマスメディア的な側面もある。
今や普及台数九二〇〇万台超のケータイを使って、効果的にプロモーション、マーケティングしたいと思うのは、至極当然の発想ではある。
だが、今やケータイは複合的な機能を有する多面的な存在だ。
テレビ、ラジオ、新聞へ雑誌、さらにはパソコンのWebサイトに続く六つ目のマスメディアであるという捉え方もまた、あ-までケータイが持つ一つの側面に過ぎない。
そこで、本書の本題に入る前に、まずはユーザーがケータイをどんなものだと思っているのか、アンケートから紐解いてみたいと思う。
ここで紹介するのは、NTTドコモの会員組織であるドコモプレミアクラブ(四一〇〇万人〔平成十八年七月現在〕)を利用して、ケータイサイトとパソコンのサイトで行った一万人対象のアンケートである。
現代人の現実を投影したプライベート・ツール冒頭で触れた質問の回答には'「メールをするもの」といった回答がかなり多かった。
通話でもなく、もちろんサイトでもない。
メールを最重要とする意見である。
「プライベートメール&業務用電話(二十五〜二十九歳・女性)」という回答などは、筆者も同感である。
ケータイといえば、メールが頭に浮かび、メールをするのはプライベートな相手ばかりだ。
個人的には、ケータイから業務用の仕事メールを送るのは、切羽詰まったとき、もしくは出張先などに限定される。
一方で、通話となると、これがほとんど仕事の電話ばかり。
一台の機械の中で、ビジネスとプライベートが通話発信履歴とメール送信履歴によって、見事に色分けされているのだ。
そこで見て欲しいのが、図1-1の「『ケータイでメールをする』場合、相手はまず誰か」というアンケートの結果である。

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